やっと休日か・・・

4月に始まったアニメは以前書いた通り自分的当たり曲が多く、それらがここ数週間で大量に出たんで今の所BGMには困りませんね〜。
ただ現実的な所言うと、毎週の如く、疲れがたまり過ぎ。明日は本気でゆっくり休みます・・・。


  • 題名未定(第4回)

(全く、本当にツいてないな、今日は……)
教室の一番後ろの席で、学生服の首元のボタンを外して体に溜まり溜まった熱を放出しながら、彼、鐘平義和は今日の朝の出来事を思い出していた。
(まず、目覚ましはぶっ壊れてて寝坊して、本雪崩に埋もれた定期探しにも時間かかって、いつもの電車に乗り遅れだろ? 
で、次来た電車はギリギリに来る連中でごった返しててまともに座れないし、駅に着いたと思ったら賞味期限が1日切れてただけの牛乳が悪かったのか知らねえが、腹痛くてトイレに駆け込んだら使用中ばっかで、やっと空いた所は先に使ったオヤジがかなり汚くしやがってて、んでいざ気張ったら出るもん出ねえし。
……そしてあれだ。あれが最悪だ。全力で走ったから何とか始業に間に合うかと思ったら、アルトシアに呼び止められて訳の分からんクラブの入部届無理矢理渡されて、昼休みに呼び出せれたし……。
結局、いつも遅い荻窪の野郎が今日に限って早く来て出席取ってて遅刻になっちまったしな……。全く、あいつらのせいだ……)
義和は、黒板にチョークを走らせながら三角関数を説明している眼鏡をかけた教師を睨みつけながら、溜め息をつく。
そして教科書に視線を落として、また溜め息をつく。
(――くそ、何が名門なんだか。ただ無駄に時間が経ってるだけのオンボロ学校じゃねえか。教師はダメ野郎ばっかだし、施設は古いし、何と言ってもこの学校の雰囲気が最悪だ)
板書された記号や数字、図を適当に書き取りながらそんな事ばかりを考える。
確かにこの学校の施設は古い。今義和がいる教室の白い壁には汚れが目立ち、至る所にある傷がへこみが目に入る。年季が入ってると言えば聞こえは良いが、ここまで来るとオンボロの方が、この教室にはしっくり来る。
義和はあまりの退屈に耐えかね、口に手を当てて大欠伸を1つ。だがそれが、丁度生徒の方に向き直った数学教師、荻窪の目に入ってしまった。
「――鐘平。三角関数の相互関係の式を3つ言ってみろ」
荻窪の言葉に、教室全体が義和を見る。荻窪は口元にしてやったりと笑みを浮かべる。
「………………」
「肘を机につくな。腕を下ろして、さっさと答えろ」
肘をつきながら無言で荻窪を睨みつける義和に、しびれを切らした荻窪はいらいらしながらせかす。その様子を見て、表情に呆れを含めて、義和は口を開く。
「……sin(2)θ+cos(2)θ=1。1+tan(2)θ=1/cos(2)θ。tanθ=sinθ/cosθ」
さらっと放たれた義和の言葉の後、一瞬の静寂が教室を包む。だが、義和が頬にあてた手を机に下ろした時、荻窪が動きを作った。
「――せ、正解だ。よ、よし。で、次は今鐘平が言った三角関数の相互関係の式についての説明だ――」
荻窪バツが悪く、焦って授業に戻る。義和を見ていたクラスメート達も前に向き直り、荻窪の説明を聞きつつノートにシャーペンを走らせる。
(……やっぱド級の馬鹿だわ、こいつ。素直に注意するだけにしときゃいいのにわざわざ墓穴掘りやがって。しかもこれからやる内容を問題にするっていうのが最早最悪通り越して超悪だ)
義和は天井に顔を向けて溜め息をまたつく。義和の行動に、荻窪はさすがに注意も出来ず、見ていないフリをして授業を続ける。
(やっぱくっだらねぇな、この学校は。授業はつまんねぇ。あるクラブもありきたり。ただダベってるか、暑っ苦しく熱血してるかしかない。何かまともに面白い事は無いもんかね〜……)
そして義和は、ふと鞄からはみ出している紙を見つけ取り出す。
(アトリシアの奴にもらった入部届、か。――こいつらは、まだマシに面白い事やってるのかね――?)