食っちゃ寝しまくりホリデイ日曜日

遊んで寝てダラダラしまくりの怠惰の権化と化しております。時塔です。
特に用事も無いし、宿題もそんなに焦らなくていいんで気楽です〜。でも明日からはまた忙しくてヒーコラ言うんだろうな〜・・・。
とりあえずこの後はもう少し遊んでから、勉強しようと思います。


  • 題名未定(第5回)

『細かい説明は後でするから、昼休みに理事長館1階にある部室に来てね。待ってるよ〜☆』
そう言って無理矢理入部届を手渡して女子の言葉に従い、義和は理事長館に来ていた。
理事長館は、明治時代によく建てられた煉瓦を使った建物ような外観で、その内装もまた明治時代のような調度品などで飾られていて、その年季の古さが感じられる。
義和は入口の円形ロビーで頭をかきながら、辺りを見渡す。
(――さてさて、この微妙に広い建物のどこに部室があるんだ?)
途方に暮れて、義和はとりあえず歩き出そうとする。その時、入口のドアが重い音を立てて開いた。
誰だ? と思い、義和は後ろを振り向く。そこには、義和があまり会いたくない人物が立っていた。
「――おや、義和君じゃないか! 久しぶりだね〜」
初夏の陽気を感じさせる気温にも関わらず、ビシッとスーツを着こなした若い男が笑みをたたえながら、義和に近付いていく。
「お、お久しぶりです。継人伯父さん」
挨拶と共に義和は無理矢理な笑みを作る。一応笑みに見えるが、やはり不自然さが見て取れる。だが、継人はそれに気付いていない。
「いやー、本当に久しぶりだ。確かこの前会ったのは2月に、合格したって報告に来てくれた時だからね。本当は入学式の後にでも会いたかったんだけど――」
残念そうな顔で呟く伯父を見て、作り笑いのまま必死にフォローを入れる。
「い、いえ、伯父さんは忙しそうですから、わざわざ俺の為にそんな無理はしないでいいですよ」
「そうかい? ――で、君はここで何をしてるんだい? ここは相当良い事か悪い事をしないと生徒には用事が無い所だよ?」
「あ、学域研究会の部室を探してるんですけど、ちょっと分からなくて……」
「おう、学域研究会!? いやー、それは嬉しいねー!」
「へ?」
義和の言葉に、継人は表情を驚愕に変えたかと思うと、心底嬉しそうに叫んだ。継人の喜びように逆に驚き、義和は間抜けな声と共に目を点になってしまった。
「あそこは人数が足りなくて潰れるって聞いてたからね、本当に嬉しいよ。部室ならそこを右に行った奥だ。それじゃ私は仕事があるから、この辺でね。クラブ、頑張りたまえよ。はっはっは――」
終始笑いながら、継人は階段を登って2階へと消えて行った。1人残され呆けていたが、義和は急に来た疲労感に、うなだれて溜め息をつく。
「――はぁ〜……。全く、本当に継人伯父に会うとは……。だからここには来たくなかったんだよ……」
義和はブツクサと呟きつつ足を動かし、部室へと向かう。
ロビーを真っ直ぐ進んで右へと向きを変えると、廊下には大量のドアが並んでいた。とりあえず教えられた通り、廊下をずっと真っ直ぐ歩いていく。それぞれのドアには、会議室やら応接室などのプレートが貼られていた。
ずんずんと廊下を進んで行く。そしてやっとの事、『学域研究会部室』のプレートが貼られたドアの前に辿り着いた。
「ここ、か――」
ドアノブに手をかけようとすると、自然にドアが奥に開いた。
驚いて前を見ると、そこには朝義和にチラシを手渡したセーラー服の少女、花蓮が満面の笑みで立っていた。
花蓮はドアに立ちつくす義和を見て、これ以上ない完璧な笑顔で口を開く。
「ようこそ、学域研究会へ!」