暑いから熱い? 熱いから暑い?

サッカー見てます。サッカー見てます。サッカー見てます。
ハーフタイムなんで日記書いてます。小説書いてます。
で、宿題はと言うと・・・後半でやります・・・(泣)


  • 題名未定(第20回)

2人が校内を歩いていると、確かに義和は注目の的になった。
今は放課後でクラブもまだ活動している時間なのでまだ人は少ないが、ちらほらいる女子生徒達は、必ず義和を見てはひそひそ話すのだった。
「……あまり、いい気しないですね、こういうのは……」
「まぁ仕方ないよ。アトリシアの校内に入れる新風の男子は生徒会関連かうち関連だけだもん。で、会長さんは断絶してから来てないし、部長も来てなかったからね。もう1年振りぐらいかな、男子生徒が入って来るの」
少しうんざりした表情の義和を労いつつ、花蓮は目の前に聳え立つ大鐘楼を指差す。
「あれがアトリシアの象徴、大鐘楼よ。新風からでも見えるでしょ?」
「えぇ。近くで見ると本当に大きいですね……。ところで下の建物はなんですか?」
「あぁ、あれ? あれは教会よ。うちは礼拝の時間があるんだけどね、全校生徒が入れるぐらい大きいの」
大鐘楼が空に突き刺さるようなイメージを与えるとすれば、下の教会は敷地を埋め尽くすかのような幅と奥行きを持っている建物だ。
「そう言えば、あれは戦前からあるんですよね、昼休みの本によると」
「そうよ〜。ずっとあのまま現存してるの。重要文化財なぐらい貴重」
(それって、なぐらいというより、そのままの意味で貴重なんじゃ……)
義和が額に手を当てて考えていると、横にいたはずの花蓮が斜め方向に離れた位置から声をかけて来た。
「あ、鐘平君。生徒会室はこっちの建物だよ〜。下手したら迷子になるよ〜」
「……それはさすがにないですよ……」
ため息をつきながら、鐘平は花蓮の元へ向かう。目の前には、目指す生徒会室のある、大鐘楼には負けるもののある程度の古さを滲ませる建物があった。